被せ物はどちらを選ぶべきか──科学が示す「決定的ではない」事実
被せ物はどちらを選ぶべきか──科学が示す「決定的ではない」事実と、院長としての提案
Experience(経験)
私は東京国際歯科 六本木の院長、宮下裕志です。臨床で長年、クラウン(被せ物)による修復を多数担当してきました。メタルセラミックやメタルフリー(ジルコニア等)いずれの材料でも良好な長期経過を得た症例を数多く経験しており、患者さまの価値観や口腔環境に合わせた選択を日常的に行っています。
Expertise(専門知識)
- 被せ物(固定式修復物)の適応判断、形成技術、咬合調整、接着・セメント操作、術後メンテナンスに関する臨床知見を有します。
- 素材ごとの物性(強度、摩耗特性、審美性、生体親和性)と、それが臨床結果に与える影響について最新文献を踏まえて診療しています。
Authority(権威)
- Cochrane等の高品質なメタ解析やランダム化比較試験の結論を診療判断に反映しています。これらは「信頼性の高い科学的根拠」として、当院の治療プロトコールにも組み込んでいます。
Trustworthiness(信頼性)
- 診療では、エビデンス(科学的根拠)と患者さま個別の解剖学的条件、生活習慣、希望を照らし合わせたインフォームドコンセントを徹底しています。症例写真や予後説明は明確に行い、同意のもとで治療方針を決定します。
要点まとめ
- 科学が示す意外な結論
Cochrane等の高品質レビューによれば、メタルセラミックと現代的なメタルフリー修復(例:ジルコニア)を5年程度で比較した場合、寿命(生存率)、合併症発生率、患者の審美満足度、歯肉の健康において「明確な差は認められない」――という結論が示されています。換言すれば、多くの主要評価項目で両者は互角であるということです。 - 臨床的含意:素材よりも「適応と手技」が重要
被せ物の長期成否は、素材そのもの以上に以下が影響します。
- 適切なケース選択(咬合力、歯の残存量、隣接関係)
- 精密な形成と印象採得(マージンの再現性)
- 優れた装着・接着技術と術後メンテナンス
つまり、どの素材でも「正しく行えば長持ちする」が、誤った適応や不十分な技術があれば問題が生じやすい、という現実です。
- 審美性についての現実
現代の歯科技工技術により、メタルセラミックでも高い審美性が再現可能になっています。一方でメタルフリーは金属色が出ない等の利点があり、審美的要求度や見える位置(前歯 vs 臼歯)での選択は合理的です。重要なのは「患者さまが何を重視するか」を明確にすることです。 - 歯周・生物学的側面
被せ物周囲のプラーク付着や歯肉の反応に関しては、現在のエビデンスで素材による優劣を示す決定的な根拠は乏しいです。日々のブラッシングと定期的なプロフェッショナルケアが、歯周健康の鍵になります。 - 費用と将来的展望も考慮に
コストや修復のやり直し頻度、将来の修理・修復のしやすさも選択基準になります。たとえば将来に備えた咬合再設計を想定する場合、素材毎の修復戦略を見据えておくことが重要です。
結論(患者さまへの提言)
科学的には「どちらが絶対に優れている」とは言えません。私の立場からは、以下の順序で判断することをお勧めします。
- 歯の状態と咬合から見た適応(臨床的必然性)
- 担当医が最も確実に提供できる技術(術者の得意分野)
- 患者さまの審美的希望・アレルギー・費用負担のバランス
治療は一度決めたら終わりではありません。納得できる選択をするために、私は写真や模型、具体的なメリット・デメリットを患者さまと一緒に確認し、最適なプランを提示します。ご不明点やご希望があれば、いつでもご相談ください。
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※東洋英和女学院中等部グラウンド裏手 お多福坂沿い
*監修者
東京国際歯科 六本木 院長 宮下 裕志






