最近、初診の患者さんで MTA で治療を受けている患者さんが数名いらっしゃいましたが、 いずれも痛みが取れないでの来院でした。根管治療を行うのに MTA とか無謀ですね。 再治療しないといけないことを全く考えていない歯科医のやることですよ。 根管充填が一番重要でもないのですが、何というか、患者さんはかわいそうですね。 治療に100%成功はありません。体に優しい治療を選択してくれる歯科医ばかりになれば嬉しいのですけどね。最近は新しい材料をどんどん使うことが、まるで素晴らしいような気で治療しているのでしょうね。 1つ言っておきます。新しい材料やテクニックは、その先どうなるのかは誰にもわかりません。少なくとも、研究がないのですから。確実に治療できる従来型の方法で、ほぼうまくいくはずですけどね。それが失敗しているから、つい新しいものを使いたくなるんですよ。そのような考えであれば、材料が新しくなっても、大して変わりはありませんよ。私の目からみれば、このような、「物」に頼る歯科医がいることは非常に残念に思えます。医療ですから、「物」ではなくて「理論」です。そして基本は「生物学」と「細菌学」です。そういう視点を持った歯科医が多くなってくれれば嬉しいのですけどね。

医療法人社団EPSDC