抜髄(神経を抜く処置)はもう古い?最新バイオセラミックが変える「歯の寿命」の守り方
「強い痛みがあるから、もう神経を抜くしかない」——昔はそれが当たり前でした。今は違います。新しい材料(バイオセラミック)の登場で、「神経を残して歯の寿命を延ばす」治療が現実になっています。
ポイントだけ知りたい方へ
- いまの常識
- できるだけ神経を残すのが世界標準。神経を抜くのは最後の選択肢。
- 新しい材料の実力
- iRoot BP Plus(最新バイオセラミック)は、長年の定番MTAとほぼ同等の成功率(約3年で88% vs 86.9%)。
- 歯の中に「新しい壁(象牙質の橋)」を作り、細菌の侵入を防ぎやすい。
- 成功のカギは「材料だけ」ではありません
- 受診時の痛みがとても強い(目安VAS7以上)と、成功しにくくなる。違和感の段階で早めに受診がコツ。
- 治療が安定しやすくなった理由
- iRoot BP Plusは“混ぜる手間なし”のシリンジ型。人によるムラが出にくく、清潔に・正確に置ける。
- 強い痛みでも、まだ望みはある
- 以前なら「不可逆=抜髄」だったケースでも、神経の一部を残す治療(断髄・直接覆髄)で守れる可能性がある。
よくある質問
- Q. 神経を残すと、あとで痛みがぶり返しませんか?
- A. 適切な診断と手順(ラバーダムで防湿、拡大視野、しっかり洗浄密封)なら再発リスクを大きく下げられます。
- Q. どんなときに「神経を残せない」?
- A. 痛みが非常に強く長引き、炎症が歯の奥全体に広がっている時など。早めの受診が分かれ目です。
- Q. 費用や時間は増えますか?
- A. 使う材料や手技が変わるため差はありますが、長期的には「歯が長持ち=再治療が減る」ので利点が大きいです。
受診の目安
- 冷たい物で強くしみる、ズキズキが続く、噛むと響く——いずれも「神経を守れるチャンス」です。早めにご相談ください。
まとめ
- 「すぐ抜髄」から「まず神経を守る」へ。最新バイオセラミックと正確な診断・清潔な術式で、歯の寿命は延ばせます。次回検診では「神経を残す治療(バイオセラミック使用)」について、主治医と話してみましょう。
参考文献
Lv, H., Li, Y., & Cui, H. (2026). Long-term survival and outcomes of direct pulp capping with bioceramic iRoot BP plus in symptomatic irreversible pulpitis. Journal of Endodontics.
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*監修者
東京国際歯科 六本木 院長 宮下 裕志






