18か月を過ぎた授乳と、3歳の子どもの虫歯について

母乳育児とむし歯
母乳育児を続けることは、子どもの成長にとって大切です。一方で、「長く授乳すると虫歯になりやすいの?」と心配になる保護者もいます。
紹介された調査では、18か月の時点で授乳を続けていた子どもと、3歳のときの虫歯との間に関係が見られました。ただし、この結果だけで「授乳が虫歯の原因だ」と決めつけることはできません。授乳を続ける場合は、歯のケアも大切にしましょう。
1. 調査では、授乳を続けた子どもに虫歯が多く見られた
調査では、18か月健診と3歳児健診の記録がある約6万9千人の子どもを調べました。18か月の時点で授乳を続けていた子どもは、全体の約19%でした。
3歳のときに虫歯が1本以上あった子どもは、18か月時点で授乳を続けていたグループでは35.9%、続けていなかったグループでは23.7%でした。
虫歯が3本以上あった子どもは、授乳を続けていたグループで19.2%、続けていなかったグループで10.5%でした。
これは、授乳を続けていた子どものグループで虫歯が多く見られた、という結果です。ただし、調査で分かったのは「関係があった」ということです。授乳だけが虫歯の原因だと証明されたわけではありません。
2. 生活習慣などを考慮しても、関係は見られた
研究者たちは、甘いジュースを飲む習慣や、歯みがきの手伝い、画面を見る時間、家庭の状況なども考慮して分析しました。
そのうえでも、授乳を続けていた子どもに虫歯が多いという関係は見られました。ただし、こうした分析をしても、調べられなかった違いや、測りきれなかった要因が残ることがあります。
3. もともとの虫歯だけでは説明できなかった
「すでに歯に問題があったため、子どもを落ち着かせる目的で授乳が続いたのでは?」という可能性も調べられました。
18か月の時点で虫歯がなかった子どもだけを調べても、授乳を続けていたグループで、3歳のときの虫歯が多いという関係が見られました。
4. 夜の授乳では、歯のケアにも気を配ろう
母乳には乳糖という糖分が含まれています。口の中の細菌が糖分を使うと酸ができ、その酸が歯を傷つけることがあります。
眠っている間は、口の中を洗い流す唾液が少なくなります。そのため、授乳しながら寝てしまったり、夜の授乳のあとに歯をみがかずに寝たりすると、歯に負担がかかる可能性があります。
5. 授乳をやめるのではなく、歯のケアを取り入れる
この調査は、すぐに断乳や卒乳をするよう勧めるものではありません。授乳を続ける場合は、次のようなケアを心がけましょう。
- 授乳しながら寝る習慣は、できる範囲で少しずつ見直す。
- 夜の最後の授乳のあとに、歯をみがく。難しい場合は、歯科医にケアの方法を相談する。
- 歯が生えたら、年齢に合った量のフッ素入り歯みがき粉を使う。
- 定期的に歯科医院で診てもらい、必要な予防ケアを受ける。
母乳育児を続けるかどうかや、夜の歯みがきの方法に迷ったら、小児科医や歯科医に相談してください。急に授乳をやめるのではなく、授乳と歯の健康の両方を大切にする方法を一緒に考えられます。
Reference
Prolonged Breastfeeding at 18 Months and Early ChildhoodCaries at Age 3 Years: A Population- Based Cohort StudyFrom Japan. Int J Paed Dentistry Yodoshi 2026
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*監修者
東京国際歯科 六本木 院長 宮下 裕志






