マルメ大学のヘレーナ先生は、バルセロナの学会でスウェーデン全土で行われた根管治療後に、どの程度の歯が生存しているのかを報告した。日本では、このような報告は一切行われていないので全く不明だが、スウェーデンではほとんど全員を追跡できるシステムがある。それによると、スウェーデンの根管治療後、5−6年経過しても、ほとんどの歯(9割)は残存していることが示された。実は当院でも2013年に同様の研究を行っているのであるが、2007年から2011年まで根管治療を行った後に抜歯になった歯は、1本もない。 抜歯するか保存するかは、その歯の状態にもよるが、実は術者が保存する気があるかどうかと患者が保存した場合のリスクを理解するかどうかで決まるといっても過言ではない。

医療法人社団EPSDC